KPOキリンプラザ大阪-3
写真は
http://www.arcstyle.com/osaka/kirinplaza.html
から借りています。
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この建物が竣工した1988年頃は,日本の経済面において,バブル経済が崩壊し始めた時期でもある。土地本位のバブル期においては急激な土地高騰に対して建築コストが相対的に割安となり,建築物のデザインに対するコストはあまり問題にされなかった。投資は個の建物から建物群へ さらに都市の生産に集中し,哲学や思想の具現化の手段として建築のデザインがあり,総合的に文化を形成していった時代であった。よってこの時代にはいろんなデザインの提案があり,過装飾の建築物も多く建てられ,建築家のデザインコントロールがひとつの課題となっていた。バブル崩壊以降,様々な屈曲の後 いまや世界的に金融主体のバブル経済の様相を呈している。投資家の興味は金利の変動,金融商品に移行しているのだ。よって,建築の課題は,どれくらいの収益をもたらすのかが主流で,デザインより ローリスク・ハイリターン,建築生産過程でのコストダウン,高度利用性優先へと流れている。そういった風潮が次代の都市文化に対してどのように作用するかは歴史の流れに身をゆだねるしかない。が,「KPOキリンプラザ大阪」は,規模はさほど大きくないが,内外の建築デザインのみならず 映像や商業デザインなど一般文化に対してもそれなりの刺激を与えたことは,確かなことであると思う。
残念なことに「KPOキリンプラザ大阪」もその時代の流れに逆らうことはできず,2007年11月に閉館となった。商業施設なので時代の価値観に応じた変遷はやむを得ないが,この建物の持つ文化的意味という観点で考えると20年という寿命は短すぎる気がするし残念である。次に建設される建物が,この建物以上のインパクトを持ったものであることを願うのみである。
今は工事用の仮設塀が四周を取り囲み その向こうに外観だけは見ることができるが,内部に入ることもできず夜の光の輝きも楽しむことができない。間の抜けた昼の顔が夜空に突っ立っているだけである。