KPOキリンプラザ大阪-1
昨夜,久しぶりに難波にいったら,キリンプラザ大阪が完全に解体されていた。
本当に良い大阪の建築物だったのに残念である。
かつて この建物について記事上げしたことと もう一度 記録としてここに残しておこう。
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この建物が建設されたのは1988年のことであった。派手な看板の林立と行き交う群集に取り囲まれた500㎡余りの敷地というのが この建築物に与えられた「場の特殊性」である。用途は商業施設で,地下1階から3階までが飲食店,4階から6階までが多目的ホール,7階が吹抜け(一部管理部門)といった構成となっている。上層階の多目的ホールは一般に貸し出され,様々な文化活動に利用された。私たち大阪府建築士会の展示場としても大いに利用させていただいたものである。
建物の外壁は黒御影石の本磨きとジェットバーナー仕上げ,一部にステンレスやアルミ・真鍮の装飾が施されている。そして 外観を特徴付けているのは6階部分から上部に伸びる4本の光の塔である。光の塔は建築物の上にぽんと載せられているのではなく,6階からの外壁を欠き込んで上に伸びた形で,建物本体に絡ませた一体的なデザインとなっている。
夜になると下部の黒御影部分は闇にまぎれて消滅し,4本の光の塔だけが闇夜に浮かび上がるのだ。まさに真っ暗な部屋にともされた行灯のようにすーっと浮かび上がる,しかも月光のような涼しい光で・・・・。見る人の幻想を大いに駆り立てるような風景である。光の塔は,帆船の帆のようにも見える。浪速津から暗い闇の海を漂う(ただ酔う)帆船のように・・・。
光の塔のシンプルさが,周辺のキッチュな看板や装飾を圧倒し,これら雑多な物を夜の闇の向こうに追いやってしまうのだ。そして光の塔のイメージだけが見る人の脳裏に焼き付けられるのである。