正月
昨年は前半は比較的暇であったが,後半は非常に忙しい時間を過ごしていた。忙しいは,「心を亡くす」とも言われるが,そうならないように努力はしたつもりである。そんな中で構造計算書偽造事件を知り非常にショッキングな思いであった。私をはじめ私の仲間の建築士達は,皆 経済活動としての建築生産に埋没せぬようがんばっている人たちばかりで 非常に良心的な設計監理業務をしている。 それゆえに組織力がなく大量に抱えることなどできない。建築はそもそも大量生産にはそぐわないものではあるから,基本的にはそのほうがよいのである。しかし,建築生産も経済活動に包含される一面もあり,そのため大量生産体制のハウスメーカーや大手ゼネコンに出番を奪われることも多く,ユーザーも「寄らば大樹の陰」でそちらに向かう傾向があった。
年末にあばかれた構造計算書偽造問題はそれらの問題が露呈した象徴であるとも言える。願わくば,今年は建築士会をはじめJIAなどの建築諸団体は,こつこつと技術を蓄積しユーザーの立場に軸足を置いた建築事務所がのびのびと活動できる環境つくりを主眼にした方策を生み出してほしい。
都市計画の観点から言うと,一昨年に施行された景観三法が,大阪府や大阪市などで打ち出されている観光都市宣言とどのようにマッチングしていくかということが一つの課題であると考えている。また,少子高齢社会の中で,在宅介護,小規模多機能施設,グループホームなど,若い世代のためのデザイン住宅,高齢化のためのリフォームなど,社会問題を建築的に解決する課題は一杯ある。
私の力でどこまで関われるかわからないが,事務所を設立して はや18年,粛々と歩むのみである